銀色の径
高ボッチに向かう道である。冬は危険なため、東山からの登り口は施錠され、本当は車では入れないはずだから駄目かと思って行ってみるとチャント鎖は切られているから容易に入れてしまう。登る程に積雪も多く、スリップする危険な所である。安易に入って来て、雪の中で立ち往生している他県ナンバーの車を助けてあげたこともあった。冬のこの山が好きだから不法侵入してよく出かける。天気の良い日を見計らって未明に家を出て、眠りの中にある諏訪湖の上に浮かぶ富士のご来光を拝み、その後は冬の太陽が一面にふりそそいで眩しい雲上の雪原を当て所も無く歩き周るのは実に気持が良いものである。
(塩原 治男)