秋仕舞い
波田に住んでいる子沢山の次男一家から女房は時々呼び出しがかかるので、その辺りの風景には馴染が深く、ある晴れた秋の日、「いい所を知っているから撮りに行こう」と言うので出掛けることにした。収穫の慌しさから解放され、ホッとした一時がそこにはあった。遠くで何かを焼いている煙が立ちのぼり、間もなくはじまろうとしている釣瓶落としの合間の光りの中で山々が霞んでいた。ここからもう少し山に入れば上高地、その奥は槍や穂高が聳えている。そこにはもう初雪があったのだろうか。
(塩原 治男)
波田に住んでいる子沢山の次男一家から女房は時々呼び出しがかかるので、その辺りの風景には馴染が深く、ある晴れた秋の日、「いい所を知っているから撮りに行こう」と言うので出掛けることにした。収穫の慌しさから解放され、ホッとした一時がそこにはあった。遠くで何かを焼いている煙が立ちのぼり、間もなくはじまろうとしている釣瓶落としの合間の光りの中で山々が霞んでいた。ここからもう少し山に入れば上高地、その奥は槍や穂高が聳えている。そこにはもう初雪があったのだろうか。
(塩原 治男)